私は大学生のときに ADHD(注意欠如・多動症) の診断を受けました。
現在は25歳でIT関係の仕事をしています。この記事では、そんな私が手帳を取得したことで感じたメリットデメリットを本音で紹介していきたいと思います。
手帳を取得したきっかけは別の記事で詳しく書いていますのでよかったらこちらもお読みください。
ADHDとして障がい者手帳3級を取得した私の症状/通院歴
私が抱えているADHDの主な症状には以下のようなものがあります。
- ワーキングメモリの低さ
- 処理能力の遅さ
- 転導的注意変遷の多さ(あちこちに意識を取られて集中できない)
それによって生活や仕事でこんな困りごとがあります。
- 不注意によるミスが多い
- 優先順位をうまくつけられない
- 些細な失敗を繰り返し思い出して抜け出せない
- 何かに夢中でミーティングなどの予定に遅刻してしまう
- 耳からの情報を理解しにくい
- 聞いているときは理解できているのに相手が言い終わったころには忘れている
- 部屋がいつも散らかっている
- タスクが多いと何もできずに止まってしまう
- 朝起きられない
- 夜寝られない
- タスクを切り替えられない
- 嫌なことを忘れられずフラッシュバックしてしまう
- 未来の1つの心配事に固執してしまう
ADHDの診断を受けてから、高校時代、大学時代、社会人になってから、常に「どう生きていくか」を模索してきました。
医師との相談の上、薬も服用しています。
現在服用している薬は以下の2つです。
- アトモキセチン(ストラテラのジェネリック医薬品)
- リーゼ
多動、不注意の抑制を目的にストラテラを服用し、なんとか仕事を続けている状態です。
この記事では、そんな私が手帳を取得したことで感じたメリットデメリットを紹介していきたいと思います。
メリット
1. 経済的メリット
- 税金の障害者控除
年末調整で申告予定です。- 手帳を取得していることを会社にカミングアウトしている場合は会社で処理してくれるようなのですが私は自分でこっそり申告予定です。
- 控除が増えて支払った税金が一部還付される予定です。
- 夜行バスの割引
- 引っ越しの時の移動が半額で済みとても恩恵を感じました。ありがたい制度です。
- JAL/ANAの航空券割引
- 半額で実家に帰ることが出来ました。本当に助かります。
- また、恋人も介助者として半額で乗ることができ助かっています。
- 自立支援医療制度で医療費が1割負担
- これは毎月通院して服薬している私にとってはとてもありがたい制度でした。
- ただ、こちらは手帳を取得していない場合でも利用できる可能性がありますのでご注意ください。
- 公共施設の割引
- 映画館は500円、博物館・美術館も格安で利用でき、これは素直に嬉しいメリットでした。
- 特にトヨタ自動車博物館で大幅に割引を受けられたときはとても嬉しかったです。
2. 心理的メリット
- 職を失ってもいざとなったら障がい者雇用で就労できる
- 手帳を取得したことで障がい者雇用に応募できるようになりました。
- まだ一般就労で働いていますがいざとなったときのセーフティネット、選択肢が増えたのはとても安心感がありました。
- 仕事を辞める前に手帳を根拠に合理的配慮のお願いをすることができる。
- これは上記と同じでセーフティネットが一つ増えたように感じとてもうれしいです。「お守り」としてとても心強いです。
- 自分は行政や医療機関から認められた障がい者という自認が育った
- 不必要に自分を責めることが少なくなったと思います。
- なんでも障がいのせいにするつもりはありませんが、できないことがある、それが自分のアイデンティティだと素直に認められるようになり落ち込むことが減りました。
デメリット
- 特にない
- 強いて言うなら自分の中にどこか「障がい者」への差別意識があって落ち込むことがある
- 「精神障がい者」という言葉はインパクトの強い言葉だと感じています。メンタルが落ち込んでいるときには改めて、自分は人よりできないことが多い精神障がい者なんだ、と感じて落ち込んでしまうこともあります。
でもそれはメンタルが落ち込んでいるときだけで、いつもはとても平穏に暮らすことが出来ています。
周りの人にも、見せたり言ったりすることがなければばれることはなさそうで、自分のペースでカミングアウトをすることが出来そうで安心しています。
精神障害者保健福祉手帳3級/私が感じたメリット・デメリットまとめ
メリット
- 税金の障害者控除
- 夜行バスの割引
- JAL/ANAの航空券割引
- 自立支援医療制度で医療費が1割負担
- 公共施設の割引
- 障がい者求人への応募資格を得られる
- 合理的配慮を申請する際の根拠になる
デメリット
- 特になし
- ネガティブな時は「精神障がい者」という言葉に落ち込むことがある
まとめ
経済的なメリットは生活の随所に感じることが出来ます。
障がいを抱える方の多くが、そして私自身も安定して仕事を続けることが難しい現実に寄り添った社会福祉だと感じています。
一方で、理想は映画やバスが安くなるより、障がい者就労への賃金が上がったり、障害をオープンにして働きやすい職場が増えて割引などの必要がなくなればいいのにな、と思っています。
そしてデメリットについてはとても少なかったです。
取得前は、周りにばれたらどうしよう?私よりもっと困ってる人が取得すべきなのでは?社会から差別されるかも、とたくさんの心配がありましたが、どれも杞憂でした。
言っていない人には誰にも手帳の存在を知られていないと思いますし、市役所の手続きの方や割引を受けた交通機関や施設のスタッフさんはとても優しく対応してくださり、まだ差別を感じたことは1度もありません。
そのため個人的には、もし申請して取得できる状況であれば所持するのも選択肢として大いにありだと感じています。
この記事が皆さんの手帳取得に関するお悩みに少しでも役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
体験談とは別で手帳取得における王道のメリットデメリットはこちらの記事にまとめました。



