【ADHD大学生活①】ストラテラを半年服用して感じたこと

大学1年の秋から春にかけて、約半年間ストラテラという「注意欠陥・多動性障害」に効果があるといわれる薬を服用しました。

ここでは、服用を始めるまでの経緯、実際に感じた効果や副作用、そして服用をやめる決断をした理由について当時の体験をもとに書きます。


薬を飲むきっかけ

ADHDと診断されたのは高校3年生の頃でした。

日々のうっかりミスに悩まされ、診断を受けたことで少しホッとした反面、「普通の人より能力が劣っている」という事実を突きつけられたようで、深いショックも受けました。

それでも「脳の特性によるものなら治療すればいい」と考え、薬について調べ始めました。

しかし、服用には親の同意が必要で、親は猛反対。

ADHDの診断すら信じず、精神科の薬にも強い不信感を持っていました。

結局、高校時代は薬を試すことができず、親が私の特性を認めることもありませんでした。

転機が訪れたのは大学1年生の夏。

塾講師のバイトを始め、ミスの多さや仕事の遅さに落ち込む日々が続きました。

そのことを彼に相談したとき「もしかしたらADHDかもしれない。病院で相談してみたら?」と優しく声をかけられ、紹介された本を読み、もう一度病院を訪れました。

再診断を経て、親を説得。

彼や友人からも「普段の様子からしてADHDだと思う」と言われていることを伝え、ようやくストラテラを試すことが許されました。


ストラテラ服用体験

最初に処方されたのは1日1錠40mgでした。

飲み始めると、頭が変に冴えているのにどこかぼんやりとする、不思議な感覚がありました。

徹夜明けの早朝のような、ぼんやりしているのに妙に頭が冴えているような感じです。

初日のバイトではいつもよりミスが少なく済みましたが、それが薬の効果かどうかは分かりませんでした。

頭の中がすっきりするわけでもなく、ネットで読んだ体験談のような「世界が変わった」という感覚もありませんでした。


副作用

一週間ほど経った頃、副作用が現れました。

吐き気
薬を飲んでから3時間ほど続く吐き気に毎日悩まされました。

口の乾燥
バイト中に喉が渇きすぎて声が出しづらくなり、水筒が欠かせませんでした。

不眠
眠気はあるのに頭が冴えて寝付けず、やっと眠れても夜中に目が覚めてしまう。翌日は眠気とだるさで辛い日が続きました。


服用量の増加

2週間後、主治医に相談すると「効果を高めるため」と1日2錠80mgに増量されました。

すると「頭が冴える感覚」がさらに強まり、体が浮つくような感覚も増しました。

それでも、仕事のミスは少しずつ減っていったように感じました。

仕事に慣れた影響もあるかもしれませんが、薬の効果もあったと思います。

ただ、仕事の遅さやケアレスミスが完全になくなることはありませんでした。

ストラテラによって集中力は確かに高まっていたと思うのですが、短期記憶が苦手なことや動作速度が遅い特性は変わっていなかったので薬だけですべて解決とはいかなかったのです。


服用をやめた理由

半年後、私は服用をやめる決断をしました。

メリットよりデメリットが大きかった
副作用の吐き気や不眠に加え、「頭が冴えすぎて落ち着かない」感覚が負担になっていました。

自分らしさを失う感覚
ストラテラを飲んでいると、興味のあることへの強い好奇心や新しいことを思いつく力が薄れていくような気がしました。

頭がさえている反面、爆発的に生まれるような芸術への探求心や、周囲からの刺激に対する感受性が損なわれている気がしたのです。

それは私にとって大切な個性であり、このまま失いたくないと強く感じました。


服用を振り返って

ストラテラは、多くの人にとって役立つ薬です。ただ、当時の私には続けるのは苦痛が伴うものでした。

それでも服用したことで、自分の特性や生き方について深く考えるきっかけになりました。

「どんな環境なら自分が無理なく働けるのか」
「どうすれば自分の特性を活かせるのか」

そんな問いを持てたのは、この体験があったからこそでした。


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