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【ADHD大学生活①】ストラテラを半年服用して感じたこと

生き方
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大学1年の秋から春にかけて、約半年間ストラテラという「注意欠陥・多動性障害」に効果があるといわれる薬を服用しました。

ここでは、服用を始めるまでの経緯、実際に感じた効果や副作用、そして服用をやめる決断をした理由について当時の体験をもとに書きます。


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薬を飲むきっかけ

ADHDと診断されたのは高校3年生の頃でした。しかし大学生になるまでなかなか薬を飲むに至りませんでした。

高校時代の私は忘れ物や板書が遅いこと、友達とうまく付き合っていけない、そんな社会との不調和に悩まされていました。

涙ながらに親に病院を受診したいと訴え、「ADHDの傾向がある」いわゆるグレーゾーンと診断されました。その後、通院を続け1年後私はADHDだというはっきりした診断を受けました。

周りの人より能力の凹凸が激しいことやワーキングメモリが少ないということを病院に証明してもらうことができて、少しほっとしたのを覚えています。

当時の私は「頑張れば普通の人と同じラインに立てるはず」という切羽詰まったプレッシャーを抱えていました。その張り詰めた意識を診断は少し緩めてくれました。

一方で「普通の人より能力が劣っている」という事実を突きつけられたようで、深いショックも受けました。

それでも―—

「どんなディスアドバンテージがあってもこの社会で生き抜いていかなければいけない。」

この事実は私の前に公然と存在していました。そして私は前へ進むために薬について調べ始めました。

「脳の特性によるものなら治療すればいい」そう考えた結果でした。

しかし、私の両親はADHDの診断すら信じず、精神科の薬にも強い不信感を持っていました。

2016年当時18歳未満がADHDの薬を服用するためには親の同意が必要でしたが、どんなに話し合っても両親が私の服薬を許可することはありませんでした。

転機が訪れたのは大学1年生の夏。

塾講師のバイトを始め、ミスの多さや仕事の遅さに落ち込む日々が続きました。

そのことを彼に相談したとき「もしかしたらADHDかもしれない。病院で相談してみたら?」と優しく声をかけられ、紹介された本を読み、もう一度病院を訪れました。

再診断を経て、18歳になった私は薬を飲み始めました。


ストラテラ服用体験

最初に処方されたのは1日1錠40mgでした。

飲み始めると、頭が変に冴えているのにどこかぼんやりとする、不思議な感覚がありました。

徹夜明けの早朝に感じる、妙に頭が冴えているのに実際には頭はうまく働いていない時と似た感覚でした。

目がよく見えるようになって、世界が少しスローモーションになったような、ピントがよく合って見えるところは見えて、見えないところは見えないような、そんな感覚です。

ただ言葉で言い表すのは難しいですし、それぞれ服用後の感覚は違ってくるのではと思います。

服薬後のバイトではいつもよりミスが少なく済みました。

しかしやはりミスはなくなることはなく、私がいつも以上に気を付けるようになったからミスが減ったのか、薬の効果なのか、自分でははっきり分かりませんでした。

頭の中がすっきりするわけでもなく、ネットで読んだ体験談のような「世界が変わった」という感覚もありませんでした。


副作用

一週間ほど経った頃、副作用が現れました。主に悩まされたのは以下の3つです。

吐き気
薬を飲んでから3時間ほど続く吐き気に毎日悩まされました。

この副作用は私の場合は1か月ほど服薬を続けると収まりました。ご飯を食べた直後に服薬することでこの症状が出にくいということを発見したのも救いでした。

口の乾燥/のどの渇き
バイト中に喉が渇きすぎて声が出しづらくなり、水筒が欠かせませんでした。また、私はもともとあまり水分補給をこまめに行うタイプではありませんでしたが、すぐにのどが渇いてごくごくとお茶や水を飲むようになりました。

不眠
眠気はあるのに頭が冴えて寝付けず、やっと眠れても夜中に目が覚めてしまう。翌日は眠気とだるさで辛い日が続きました。しかしこれも1か月ほどで夜中一度目が覚めてしまう程度に収まりました。


服用量の増加

2週間後、主治医にあまり効果が感じられないことを相談すると1日2錠80mgに増量されました。

すると「頭が冴える感覚」がさらに強まり、体が浮つくような感覚も増しました。

そしてバイトでのミスは少しずつ減っていったように感じました。

仕事に慣れた影響もあるかもしれませんが、薬の効果も大きくあったと思います。

ただ、タスク処理の遅さやケアレスミスが完全になくなることはありませんでした。

ストラテラによって集中力は確かに高まっていたと思うのですが、短期記憶が苦手なことや動作速度が遅い特性は変わっていなかったので薬だけですべて解決とはいかなかったのです。


服用をやめた理由

半年後、私は服用をやめる決断をしました。

メリットよりデメリットが大きかった
副作用の吐き気や不眠に加え、「頭が冴えすぎて落ち着かない」感覚が負担になっていました。

自分らしさを失う感覚
ストラテラを飲んでいると、興味のあることへの強い好奇心や新しいことを思いつく力が薄れていくような気がしました。

頭がさえている反面、爆発的に生まれるような芸術への探求心や、周囲からの刺激に対する感受性が損なわれている気がしたのです。

それは私にとって大切な個性であり、このまま失いたくないと強く感じました。


服用を振り返って

ストラテラは、多くの人にとって役立つ薬です。ただ、当時の私には続けるのは苦痛が伴うものでした。

それでも服用したことで、自分の特性や生き方について深く考えるきっかけになりました。

「どんな環境なら自分が無理なく働けるのか」
「どうすれば自分の特性を活かせるのか」

そんな問いを持てたのは、この体験があったからこそでした。


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